シミを消す方法はある
女性のお肌の大敵であるシミ。悩まされている方も多いのではないでしょうか?
一言でシミといっても様々な種類があり、治療方法も違います。「シミを消すと書いてあったから。」と安易な理由だけで化粧品を選ぶのではなく、シミに対する正しい知識を身につけて治療することが大切です。
今回の記事では、シミができる原因と、普段の生活や化粧品を選ぶ上で大切なことをまとめました。
シミの種類
「シミ」といっても、実は様々な種類があります。シミの種類によってできる原因も違えば、ケアの方法も異なります。
一般的にシミと言われるのは、30代を過ぎると現れることが多い老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)と呼ばれるものです。何十年にもわたって紫外線を浴びた結果、メラニン色素が累積して現れます。
シミの種類は大きく分けて5種類ですが、自己判断は難しいです。また、複数の種類のシミが混じり合っている場合がありますので、専門医の診察を受けてみるのも検討してみましょう。
・老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
シミの中で一番多いのがこのタイプです。30代を過ぎると現れるこのシミは、長期間にわたって紫外線を浴びた結果、メラニン色素が蓄積して皮膚表面にシミとなって現れます。紫外線があたりやすい頬骨の上などに現れることが多いです。
・雀卵斑(そばかす)
頬や目のまわりにできるそばかすは、遺伝的な原因が大きいです。色白の人に比較的多いです。小さい子供にもよく見られますが、大人になれば薄く目立たなくなります。
・肝斑(かんぱん)
ストレス・妊娠・薬の服用などによるホルモンバランスの乱れが主な原因です。メラニンを作る皮膚細胞であるメラノサイトが活性化し、メラニンを作り出した結果シミとなって現れます。
・炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)
刺激もシミの原因になります。ニキビ跡や傷跡などが茶色くシミになって残った物が、炎症性色素沈着と呼ばれます。顔だけでなく、足や腕にできたり、ムダ毛処理などによってできる物もあります。
・ ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
シミよりもグレーっぽいものがADMです。頬骨に左右対称で存在することが多く、レーザーが唯一の治療方法です。
このように、シミの原因は紫外線だけでなく、遺伝・ストレス・刺激といった様々な原因があります。次に、シミを消す方法を解説していきます。
シミを消す方法
頬にハッキリとできてしまったシミ…。消す方法はあります。
まず、ハッキリと濃く出てしまったシミは、レーザー治療が有効です。しかし、レーザー治療に不安感を覚える方もいますし、自宅でシミを消す方法は無いかと思う方もいるでしょう。
皮膚科や美容クリニックでは、シミの対策として「レチノイン酸」や「ハイドロキノン」が配合されたクリームを処方されます。この成分が入ったクリームを、ドラッグストアで購入することをオススメします。
レチノイン酸は、肌のターンオーバーを促進して、古くなった角質を取り去ることができます。シミを薄くしたり、滑らかな肌に整えます。
ハイドロキノンは、「肌の漂白剤」と呼ばれる成分です。メラニン色素を合成する酵素であるチロシナーゼの働きを弱めてくれます。
このふたつのクリームをブレンドして塗ると、肌の生まれ変わりが促進され、角質が薄くなったところに漂白成分が作用します。結果、シミを消すことにつながります。
また、ストレスなどによるホルモンバランスの崩れが原因となる肝斑(かんぱん)は、レーザートーニングやマックスピール、ビタミンCやトラネキサム酸などの内服薬による治療が効果的です。あわせて、アルブチンやコウジ酸クリームの塗布、ケミカルピーリング、ビタミンC誘導体イオン導入などもオススメします。
シミを消す食べ物
シミを消す方法として、食生活の改善があります。バランスのとれた食事をすることで、シミを消すことができます。
シミを消す栄養素は次の5つです。
・ビタミンC
・ビタミンE
・たんぱく質
・クエン酸
・βカロチン
一つずつ紹介していきます。
・ビタミンC
ビタミンCが美肌・美白に良いことは、誰もが知っていると思います。ビタミンCがなぜ美白にいいのかというと、シミの原因であるメラニン色素を作るのに必要な「チロシナーゼ」という酵素の働きを抑えるからです。
ビタミンCがチロシナーゼの働きを抑えることで、メラニンの生成を抑えてシミができにくくなります。また、シミを薄くして、最終的には消していく効果があります。
・ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があります。肌年齢とは、細胞の酸化(サビ)の度合いで判断されます。
抗酸化作用で細胞を若返らせて、肌のターンオーバーを促します。先ほどのレチノイン酸と同様に、肌のターンオーバーの周期を早めることで、シミを消すことが可能です。
・たんぱく質
良質なたんぱく質は、シミを消す効果があります。たんぱく質は肉類から摂ることができますが、畑の肉ともいわれる大豆の方がより良質なたんぱく質となります。
良質なたんぱく質はシミを消すだけでなく、ビタミンCと一緒に摂ることで体の中にコラーゲンが作られます。たんぱく質とビタミンCを一緒に摂るということを覚えておいてください。
・クエン酸
クエン酸には、ビタミンE同様に肌のターンオーバーを早めてくれる効果があります。クエン酸は血行を良くしてくれるので、肝臓の機能を高めるためです。
肝臓の機能が高まると、体の中の老廃物を外に排出してくれます。シミを消すだけでなく、美肌効果もあります。
・βカロチン
βカロチンもビタミンE同様に抗酸化作用があります。また、体の中に取り入れると一部がビタミンAに変化し、ターンオーバーを促進してくれるのです。
ビタミンAは美肌に良い成分ですが、摂り過ぎると頭痛や吐き気を催す場合があります。しかし、βカロチンを摂取すれば、必要な分だけ体の中でビタミンAに変化するので、その心配はありません。
美容・美白に必要な5つの成分をバランスよく摂り入れ、体の中からシミを改善することができます。あくまでも化粧品でのシミ対策は、補助的な物と思ってください。
体の中・外を両方ケアすることで、短期間でシミを消すことが可能になります。
乾燥肌はシミができやすい
シミができやすい・消えにくい肌とは、潤いが足りていない乾燥肌です。
なぜかというと、乾燥肌はターンオーバーの周期が遅く、紫外線の影響を受けやすいためです。
シミの正体は、ほとんどがメラニン色素です。肌は紫外線や化粧品の刺激成分・洗顔・クレンジング等で刺激を受けると、肌を守ろうとしてメラニン色素を作ります。これがシミとなります。
肌のターンオーバーの周期が早ければ、シミが出来ても最終的に剥がれ落ちてシミは無くなります。メラニン色素が出来るペースよりも、ターンオーバーの周期が早いことが重要なのです。
しかし、加齢や肌の乾燥によって肌のターンオーバー周期は遅くなっていきます。40代以降の方がシミが多いのは、このためです。
そのため、ターンオーバーが早くなる「うるおい肌」になることが重要です。
うるおい肌になるためには、基礎化粧品を丁寧に使い、乾燥肌をケアしましょう。オールインワン化粧品を使っている方は多いですが、化粧水・美容液に比べると保湿力が圧倒的に弱いです。乾燥肌の方は、基礎化粧品を丁寧に使いましょう。
何よりも紫外線対策が重要
シミは出来てしまっても、ターンオーバーによって消すことができます。これまではシミを消す方法として、ターンオーバーを中心に解説してきましたが、何よりも大切なのは紫外線対策です、
シミの原因は紫外線による刺激がほとんどなので、紫外線対策の知識を身につけましょう。
・日焼け止めはSPF20がオススメ
「SPFの数字が高ければ高いほどいい」と思っていませんか?SPFの数字が高いほど、肌の負担が多いのでSPF20を目安にしてください。
SPFの数字が高いものは、肌から流れ落ちにくい成分「鉱物油」を使っています。鉱物油は肌への刺激となり、新たなシミを作る原因となります。
SPFというのは、紫外線(UVB)をカットする力を指します。SPF1の場合、紫外線で肌が赤くなるまでの時間を20分遅らせる効果があります。つまり、SPF20の日焼け止めを塗ると、6時間遅らせることができます。
SPF50の日焼け止めを塗るよりも、SPF20の日焼け止めを1日2回塗ることで、肌への負担が大きく減ります。
・PAの数値も高い物を選ばない
日焼け止めを買う時に、「PA++」といった表示をよく見ると思います。これは、紫外線(UVA)をカットする力を表します。
「+」の数がどのように決まっているかというと、「肌に何もつけていない状況で肌が黒くなる紫外線量」と比べ、
「日焼け止めを塗った時に肌が黒くなるまでの紫外線量」が
2倍以上~4倍未満で「+」
4倍以上~8倍未満で「++」
8倍以上~16倍未満「+++」
16倍以上「++++」
という基準になっています。
しかし、SPF同様にPAも安易に「++++」を選ばないでください。これだけ強力に紫外線を予防するためには、汗等で日焼け止めが肌から流れ落ちないようにしないといけません。強い鉱物油によってPA++++となるので、鉱物油により肌が刺激され新たなシミを作ります。
日焼け止めは数値を高くする競争となっていますが、必要以上に効果がある物は使わない方が絶対にいいです。
シミは消すことができる
シミの正しい知識を認識し、対策をすることで必ずシミは消すことができます。
高い化粧品だけに頼るのではなく、基礎化粧品を丁寧に使い、食生活を改善し、紫外線対策をきちんと行うことが重要です。
この記事に書いてあることが実践できれば、必ずシミは消すことができます。ぜひ実践してみましょう。